自動取引(シストレ)で利小損大になる:FX失敗談検証シリーズ
FXの失敗談を検証しています。
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失敗談は学ぶところが多いですね。
では、今回はこんな失敗談です。
自動取引(システムトレード)の危うさが見えると思います。
●●●は、多くのシステムの中から、自分の好きなシステムを登録すると、後はプログラムが勝手に自動で売買してくれるというツールです。
日本では、○○証券などの業者さんが提供しています。
数千というシステムがあり、その種類も数分で決済するような超短期型から、
数ヶ月ポジションを保有するもの、トレンドフォロー系や逆張り系などいろいろです。
各システムの詳しい売買ルールはオープンにされていないため、過去の各システムの損益や、勝率、売買回数などを見ながら、好きなシステムを選びます。
そもそも、FXシストレを始めたきっかけは、○○会社のセミナーで、過去に実際に大きな収益を上げているシステムを紹介されたからでした。
デモ口座で見れば分かりますが、直近3ヶ月や半年、といった期間でみると、ものすごい勝率や収益を挙げているシステムがいくつもあります。
セミナーでも、
「これだったら誰でも儲かるんじゃないんですか?!」
と興奮している方がいましたが、私もそう思いました。好調なシステムを選びさえすれば、後はパソコンの電源を切っても、証券会社のサーバー側で自動で売買してくれるので、まさに「誰でも簡単にほったらかしで利益を上げられる」と思ったのでした。
連勝もつかの間、ドローダウンへ
早速口座を開設し、良さそうなシステムをいくつか選んで取引を始めたところ、最初のうちはまさに連勝街道まっしぐら、という感じでした。
忘れもしません、最初に登録した○○というドル円のシステムでは、10回以上連続で勝ちトレードが続いた記憶があります。
短期売買なので一回の金額は大したことないのですが、「これは凄いかもしれない」という気になりました。そこで、調子に乗ってシステムをどんどん追加していったのですが、そんなオイシイ話は長くは続かないものです。
システムトレードでは、勝率としては7~8割をキープしていても、何回かに1回、大きく負けるケースが出てきます。
大きな損切りが立て続けにおこる事態(ドローダウン)も発生し出し、一番避けなければいけない「利小損大」パターンにはまっていきました。
特に、ポンドがらみや、ユーロ/豪ドルなどボラティリティの大きい通貨ペアにも手を出したため、ロスカットにこそならなかったものの、マイナスが次第に膨らんでいきました。
ということで、結局、勝率としてはトータルでも5割以上だったと思いますが、最後の頃にはドローダウンが重なり、数十万のマイナスで撤退となりました。
シストレの難しさ
証券会社の提供する自動売買プログラムを使う場合、システム費用を負担する必要があるので、一般の店頭FXと比較するとスプレッドが高くなります。
特に、短期売買型のシステムでは、売買回数が多いだけに、スプレッドのコストがばかになりません。
前回の記事で書いた、デイトレで手数料負けしたのに似ています。スプレッドの問題に加え、システムトレードの難しさは、過去3ヶ月、6ヶ月といった単位で好調なシステムであっても、採用した途端に不調となるケースも多いことです。
為替は無数の要因で動くので、いくら過去儲かっていたシステムでも、今後絶対儲かる保証はありません。
相場が急変した際には、裁量で損切りする勇気も必要です。結局、どんな相場環境でも、長期にわたって万能の自動売買システムはない、あるとしてもそれを探し出すのは至難の業、ということなのだと思います。
この失敗談はとても役に立つと思います。
誰もが、自動取引ってどうなの?と興味を持ったことがあるのではないでしょうか。
でも実態はこんな感じ。
1、過去のデータを目安にしているので、未来のことになるとあてにならない
2、短期取引を繰り返すため、スプレッドでやられる
3、いきなり大きく値動きがあると損が拡大する
もうこうなるとよっぽどの強運があっても厳しいと思います。
利小損大という状況に陥りやすいんですね。
自動取引には自分で設定を出来るものもありますが、それもかなりの知識と粘り強さが必要なので一般の人には難しいのが現状です。
やはり投資は自分でやるもの、なんですね。
自動取引についての否定意見は↓にまとめました。
私も↓のような本を書いているので、
「自動取引のことですか?」
と言われてしまうことがありますが、自動取引ではないです。
言ってしまえば、手動だけど、ポジションの持ち方を工夫して常に安全圏から出ないことを鉄則としているのでほったらかしていてもいい、ということになります。
負けないFXを心がければ、複利でどんどん増えていくので楽ちんですよ!